(以下引用)
新條氏は、昨年10月期放送の日本テレビドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)の急死をめぐり、出版社やテレビ局の対応や業界の問題などについてSNSで自らの考えを発信してきた。
今回、自身のX(旧ツイッター)では「書き上げたはいいけど、ずっと投稿できずにいた、漫画業界最大の問題かもしれない部分に提言しました。現状を知ってもらって、一人一人が変わらなきゃいけない時代なんだと…今回の件で改めて大企業の変わらない体制には辟易しました。是非読んでみてください」とnoteを公開した意図を記した。
(中略)
過去に自身が小学館と対立した際の話として、「すべての権利を引き上げるという段階でも揉めたのですが電子書籍の権利だけは残してほしいと言われました。ですが、お断りをして、当時出版社を通して取引していた電子書籍の配信元にこれからは出版社を通さず、直接取り引きして代わりに配信料を上げてほしいと交渉しました。このことを知った小学館が配信元の会社に圧力をかけました。『そうやって作家と直接取り引きするならうちからいっさい漫画を配信させないぞ』と…」と明かした。
その後、電子書籍の印税率をめぐり「どんなに交渉しても『他の作家もこの率だから。この契約がひな形だから』と印税率を変えません。出版社が莫大に印税率を搾取してるという構図です。こうなってくるともはや中間搾取企業です」と指摘。
「これだけ取ってるんだから、作家に還元しようと思わないのかなと…決まりだから、昔からそうだからという理由で一番大事な作家のことを何も考えてない。わたしにとってもはや出版社と契約する利点というのが『編集部があること』のみになっていました」と出版社に対して絶望的な思いがあったという。
その後、新條氏は編集部を持つ配信取次会社と直接取り引きに切り替えることを思いついた。
「今どきな会社で、契約の内容も自由自在。原稿料を貰う代わりに、配信料の率を下げてもらったり逆に原稿料はいらないから、配信料の率をあげてほしいというのも交渉次第です。その時、思いました。『ああ、これからはこういう会社が伸びる。漫画家を大事にする会社と仕事するべきだ。一番頑張ってる人が一番お金を貰えなくて誰が漫画家と寄り添ってるって言えるだろうか』と…漫画家の皆さん、もう一度契約書を見直してください」と呼びかけた。
成果に見合った交渉をすべきとし、「印税率の内訳を教えてもらってください。めちゃくちゃ嫌がるでしょうけど後ろめたいからだと思います。交渉してください」「わがままじゃないです。当然の交渉です。生きるための知恵をつけてください。もう、出版社におんぶに抱っこは限界が来てます」と切実な思いをぶつけた。
「わたしは仲良くさせて貰ってる出版社も多いですがこういうこと書くともう出版社ではお仕事できませんね」と覚悟の投稿。
書き上げたはいいけど、ずっと投稿できずにいた、漫画業界最大の問題かもしれない部分に提言しました。現状を知ってもらって、一人一人が変わらなきゃいけない時代なんだと…今回の件で改めて大企業の変わらない体制には辟易しました。是非読んでみてください。…
— 新條まゆ@『虹色の龍は女神を抱く』連載中! (@shinjomayu) February 14, 2024
この話題にネットでは
「新條まゆ先生、勇気あるね」
「漫画家がいないと出版も出来ないのに」
「この機に業界体質を変えるべき」
「政府も大企業もダメダメじゃん。SNSがあってよかったよ、こういう告発ができて」
「このまま幕引きをはかりたいテレビ局と小学館だろうけど、世間はそうは問屋が卸さない状態になっている」
「もっと原作者に還元するべきだよね。出版社お金持っていきすぎなんじゃないの?」
「夢があるんだか無いんだか」
「映画とかやってもほとんど収益貰えないんだってね…」
「頼もしいよね。こういう大物が声を上げてくれるって。男の漫画家が陥れようとしてたけどすぐ特定されててざまぁだった」
昨日は面識のある男性漫画家がわたしが今一緒にお仕事してる取引先に根回しして「新條まゆがやばい糞コメントしてるから上司にも伝えた方がいい」ってLINEを送ってることが判明して「はぁ⁉️」ってなったんだけど、その漫画家のポスト見に行ったら「小学館叩いてる漫画家は先生の死を利用して叩きたいだ…
— 新條まゆ@『虹色の龍は女神を抱く』連載中! (@shinjomayu) February 10, 2024
「陰湿な事するよね。びっくりした」
「その男性漫画家は誰だったの?」
「東毅」
「出版社も利益を取るのは構わないと思う。でもみんな同じ利率で「前からこうだから」はおかしいよね。それぞれの作家と対等な立場での交渉を受け付ける気もなく押し付けるのは優越的地位の濫用になるのかな」
「まゆたんは名前の知られた人気作家だからできるのよ。新人が出版社と縁切って配信会社と個人契約なんて生活できないよ。とはいえ発言権のない新人には言えないことをガンガン言ってくれるまゆたんは頼もしいわ。応援したい」
という声も。