(以下引用)
問題となっているのは、「水は地面にしみこむのに、なんで海の水はなくならないの?」という疑問に対する答え。チコちゃんの答えは「海底が水圧でカチカチだから」というもので、大学教授が解説をおこなった。
教授は、水圧によって、地上と海底では水が岩石にしみこむスピードが違うと説明。深い海底にある岩石には高い水圧がかかることで、岩石の隙間が圧縮され、水を通しにくくなる、と解説した。
この説明に対し、《チコちゃんの「海水が染み込まないわけ」の説明は完全におかしい》と指摘したのは、京都大学大学院の成瀬元准教授。
堆積学を専門とする成瀬氏は、7月18日にTwitterで《岩石の圧密は岩石自体の上載荷重が原因で、水圧はむしろ圧密を妨げている。静岩圧が静水圧を上回るから圧密が進行する。陸上の砂が大気圧で固結しないのと同じ。浅海の表層堆積物に比べて深海の軟泥は別に固結していない》と説明。
《なぜ天下のNHKでこんな単純なミスが…》と嘆いている。
#チコちゃんに叱られる
— 大原誠治 (@oohara_hachidai) July 17, 2023
チコちゃん、おかしいぞ?
海底は全て深海じゃないよね?
砂浜の近くならいくらでも沁み込むのでは? pic.twitter.com/u7QxRd02oT
子供が視聴するテレビ番組に出演する人(教授の肩書き)のコメントにも、放映前にpeer-reviewが必要なご時世になりました。大丈夫か公共放送。ムーの記事を番組にしたのかと思った。大学教員公募の年収が200万円なのも納得。 pic.twitter.com/OvmeknnhbL
— A.Ennyu (@aennyu) July 16, 2023
地層中に透水率が低い層があると間隙水圧が上昇するが、そのような層準ではむしろ圧密が起こらない。なぜ天下のNHK でこんな単純なミスが…
— 成瀬 元 (@HajimeNaruse) July 15, 2023
NHKプラスで先週のチコちゃんを確認した。驚いた。これは完全にダメである。出演した大学教授が完全に誤解している。制作陣はこの教授の言説を鵜呑みにし、その真偽の確認(別の専門家に確認すること)もしなかったと推測される。正しくは成瀬さん @HajimeNaruse が仰っている通り。1/
— 星 博幸 / Hiroyuki Hoshi (@geo_hoshi) July 17, 2023
海水がマントルに「吸い込まれて」6億年後になくなってしまうという話も、この構成だと視聴者は「深海はカチカチの水圧だがそれでも徐々に海底から海水が浸透し、深部のマントルまで吸い込まれてなくなる」と理解したのでは? 実際は違う。海洋プレートの岩石とその沈み込みの説明が欠落している。2/
— 星 博幸 / Hiroyuki Hoshi (@geo_hoshi) July 17, 2023
とにかく今回の番組はひどい。これは専門家がNHKにクレームをつけるべき案件である。3/
— 星 博幸 / Hiroyuki Hoshi (@geo_hoshi) July 17, 2023
この話題にネットでは
「チコちゃんも間違えることあるの?🙄」
「この番組、しょっちゅう間違えてるよ。大学教授が解説したから正しいなんて思っちゃダメ」
「深海で普通に泥が舞い上がる映像なんて何度も見てるもんなあ…」
「もうネタ切れなんでしょ。だからこじつけ論に至る」
「ん~、勉強になるねぇ」
「諸説ありますと、断りを入れてるから問題ない」
「さすがに今回は「諸説あります」では逃げられなかったか(笑)」
「チコちゃんが出鱈目を吹くのなんてもう何度目だって感じだけど、今回は問題視してる人が多い気がする。そろそろ『※諸説あります』で逃げきれなくなってきてるということですかね」
「NHKにしてみたら「専門家がそう言っていたんだもん」ということになり、むしろ専門家だからといって信じられないという証左になりつつある」
という声も。