小泉今日子「子供持たない人生」の痛み

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18世紀のヴェネチアの孤児院「ピエタ慈善院」で10人の女性たちの様々な幸せを描いた小説「ピエタ」を7月に舞台化プロデュースする小泉今日子さん(57)が、webマガジン「mi-mollet」のインタビューで、小説に出てくる「娘たち、よりよく生きよ、よりよく生きよ」という言葉に泣いたことを明かし、自分の人生の選択についての思いを語っています。

(以下引用)

小泉さんと小説『ピエタ』の出会いは、読売新聞の読書委員として書評を書いていた頃。記者に勧められて読んだのがきっかけです。当時は2011年。小泉さんは45歳で、作品の主人公たちとほぼ同じ年齢でした。

小泉今日子さん(以下、小泉):10代、20代、30代、40代、それぞれの年代で、自分の中の試練のようなものってなんとなくあると思うんですが、女性の場合は「タイムリミット」を感じさせられることってあるじゃないですか。子供を産む、産まないとか。

当時の私の中には「自分は子供を持たない人生を生きるんだろうな……」という感覚があったんだと思うんです。わざわざ口にしたりとか、乗り越えるというほど強いものではないけれど、ちょっとだけ心が痛かった、誰にも言わない、誰にも言えない痛みだったんじゃないかと。

そういう時に「自分ってどんな女の子だったかな?」と考えたんですよね。いろんなことを思い出しました。「あの時の空、キレイだったな」とか「あのお花の匂い、すごくいい匂いだったな」とか。

そういう生命力いっぱいに生きていた少女時代の記憶が、自分を支えてくれたんです。それが「よりよく生きよ、むすめたち」というあの詩と、すごくリンクしたんだと思います。

(中略)

この時代の女性の幸せといえば、結婚、出産、家族がつきもののように感じますが、実のところ作品に出てくる女性の過半数が、結婚もせず、出産も経験していません。

とくに小泉さんの印象に残るのは、ヴィヴァルディの曲で大スターとなった歌手のジロー嬢と、ピエタ出身で商売人と所帯を持ったジーナ。ふたりは互いの生活に憧れているのです。

小泉:子育て中の友人とかと会ってご飯を食べてたりすると、夫や子供のことを「わー」ってすごい勢いで話すんですよね。でもその様子に「もしかしたら本当は仕事がしたかったのかも」と感じる瞬間があって。

子供を産まなかった私は、その友人を「ちょっと羨ましいな」と思ってるんだけど、向こうは向こうで同じように思っているんだろうなと察して、でもそんなことには触れず、このまま黙って話を聞きながら時間を進めようとか思ったり。

私みたいな仕事をしていると、一般に暮らしている幼馴染みとかは、すごく羨ましがったりするんです。華やかに見えるし、なんかちやほやされてそうにも見えるし。「いや、でも中入ってみ? 相当根性ないと務まらんぞ」なんてことも思ったり(笑)。

そういう寂しさから解放されるための一番の方法って、互いの立場を思いやり、共有できる何かを見つけていくことだと思うんです。物語ではそうやってみんながちょっとずつ幸せになってゆく。その結末が本当に素敵なんですよね。



この話題にネットでは

「どの道を選んでも、後悔も苦悩もある」

「無い物ねだりだよね」

「いろんな人がいて、いろんな人生があってそれで良し」

「私たち夫婦は、子供がいない方を選択したけど、それも良い経験」

「そう思うよ。私は子供いるけど、できるならどっちの人生も経験してみたかったと思う。両方は無理だもんねー」

「41歳です。40過ぎたら楽になると思ってたら、最近43で初産とか聞くとまだ少しザワザワする。すごく欲しいわけでも、すごく欲しくないわけでもない。スパンと切り替わるわけじゃなくて、少しずつなのかな?と最近思う」

「子育てしてない友人に子供のことわーと話すなんて空気読めないなぁと思う」

「でもそれが人生のほとんどになってるから、会話しようにも自分のもってる話題って家庭のことになってしまう。わーって話したいほど、普段話を聞いてもらえてないストレスとかもあるんだろうし。キョンキョンは、そういうのも全部含めてこっちが相手のことを想像して受け入れようって思いながら接してるんじゃない?きっとその友達のことが好きだからできるんだと思う」

「独身子なしだけど、そんな気をつかわれるの嫌だな。子供の話のみだとつまんなそうだけどいろんな話聞きたいよ」

「既婚子ありだけど、なんか気を使うんだよね。なんでもフラットに話せればいいんだけどね」

「とてもわかる。「隣の芝生」の心理って、必ずあるのよね。それを前提に考えると、ちょっと気楽になる気がする」

「小泉今日子さんプロデュースで『ピエタ』が舞台化されるのか。大好きな小説!」

「キョンキョンのインタビュー良かった。ピエタ見たくなったけど、もう完売してる…」

という声も。



  • 原作小説「ピエタ」のレビュー


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    みんなのコメント

    名前 : あ↓↓ 2023/06/06 00:25
    激しく同意。というか、どっちの人生も経験してみたい、っていう考え方はパワフルですごいなぁ…。私は今の人生で充分、というかヘトヘトです笑。
    名前 : あ 2023/06/05 12:36
    不倫され家庭を壊された元妻の心の痛みや自分がしたことへの後悔を知ることはないのだろうな
    名前 : あ 2023/06/05 00:36
    自分は子供いるけど、子なしでDINXの人生とか、仕事に生きる人生してみたかったなぁとは思わないな…。自分には「子あり」が人生におけるベストな選択だったのかもな。
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