(以下引用)
小説を書き始めてわりとすぐに直木賞候補にしていただいたときも「これはイケるかも」と思いました。書くことを仕事にし続けていける、という意味でね。
その後は「直木賞、獲れるよ」という編集者の言葉を信じて、鼻先に人参を垂らされた馬のごとく必死で頑張り続けて今に至ります。運もよかったんですよね。
時代も違うし、同じように馬車馬のごとく頑張れ、とは今の30代に言えないけれど、状況は違っても、どうにか道を模索していたら自分が楽しいと思えること、自然と頑張り続けられる場所は見つかるんじゃないかと思います。
――まずはやってみる、というのもすごく大事なんだな、とお話を聞いていると感じます。コピーライターの専門学校に入ったこともそうですし、林さんは、舞い込んできたチャンスを、それがモノになるかどうかは別にまずつかむ、その力で道を切り開いてこられたんだなと。
「チャンスの神様には前髪しかない」って言葉があるでしょう。一度見送ってしまったら、後ろ髪はないからもうつかめないよ、って。私は、チャンスの神様がやってきたら、もう抱きつかなきゃだめだと思っているんです。
先日、オードリー・ヘプバーンの写真展に行ってきたんですが、彼女も、「チャンスが来たときにはがむしゃらにならなきゃだめ」と言っていたみたいなことが書いてありました。
「失敗したらどうしよう」とか「泥臭く頑張るのなんて恥ずかしい」みたいなことを言う人もいるけれど、チャンスは待っていたって自然に降ってくるものじゃないし、何事もやってみなきゃわからないじゃないですか。
――向いているかどうかも、成功するかどうかも。
そう。ただ、今って頑張る人が嫌われる風潮があるでしょう。「一生懸命やろう」とか「ガッツで乗り切ろう」とか、そういうのは暑苦しく思われるし、頑張れない人もいることに配慮しなきゃ、みたいなことも言われてしまう。でもね、その風潮に合わせていつまでも頑張らずにいたら、人生に何も起こせないまま終わってしまいますよ。
頑張りたくない、人生は平淡で平穏なのが一番、っていうならそれでいいけれど、“何か”が欲しいと思うならやっぱり動かなくちゃ。あからさまに張り切っている姿が煙たがられるというなら、人に見せないようにやる、というテクニックを身につけるのも30代の心得なんじゃないでしょうか。
#林真理子 「“頑張らない”風潮に合わせていたら、何も起こせないまま。人生において“何か”欲しいならやっぱり動かなくちゃ」
— 共働きwith (@tomobata_with) July 6, 2022
人生の先輩である林さんに、アラサー世代の悩みを投げかけてみたら……。インタビューvol.2はこちら👉https://t.co/VwPmqduJdt pic.twitter.com/Juhfh6CMOO
この話題にネットでは
「ほんとそれ。人生必死で頑張らなきゃいかないときは絶対ある。近年のゆるく生きようみたいな風潮に違和感を覚えていた」
「わかる。受け入れることと最初から諦めて逃げてることを混同してるような感じだよね。達観を気取ってるのに幼い感じがして違和感がある」
「歌とかも逃げていいよ。やる気ないよ、的な多いよね。男で言ったらお金ないけど愛はあるみたいな」
「頑張る時に頑張らないでどうすんだろって思う。そういうとさ、確かに「頑張れない人にも配慮して」とか「努力も才能じゃん、私才能無いもん」ってグチグチいっているより努力する時には頑張った方がいいのに。そして、逃げていい時には逃げていいっていう風潮が「努力から逃げていい」じゃないんだよ」
「ネットで愚痴ってばかりいても意味ないってことね」
「何でもガチャって言う風潮あるよね。努力しないやる気ないのを、環境のせいにするとラクだから。ゲーム感覚で今風でしょ?ってのも違和感」
「風潮っていうより今まで我慢することが美徳とかきつい人がいたから、ゆるくても良いんだよ。って言い始めたと思ってた。てか、今ってバリバリやる人とゆるく生きる人分かれてるよ。別にどちらでも良いと思うよ本人が良いなら」
「学生時代の勉強してないって言って裏でちゃんとやってる、みたいなムーブは大人になっても変わらないんだよね」
「必死でやったことはなんだかんだで後の人生に役立っている」
「必死で頑張ったなぁって事は、それほど成果をあげられてなくても、頑張った事実だけで少し自信になる」
「私はバイタリティがもともとないし自分の器を分かってるから、地味にそこそこの生活をするのが幸せなんだがな…」
「林真理子はそういう「そこそこでいい」って人を非難してる訳ではないよね。人一倍何かを得たい人はイージーではないって話。努力せずに成功しよう!みたいなのは、あり得ないよって言いたいんだと思う」
「覚悟を決めて、必死で頑張って、それが叶わなくても、見えてくる景色ってあると思う」
「頑張る→頑張っても報われない→頑張るのはやめた みたいな流れもあると思う」
「まあ成功者はなんでも言えるよね」
「成功者は何でも言えるんじゃなくて、努力をした人だからこそ実体験を元に言えることだよ。むしろ何もしない人ほど言い訳をなんとでも言える」
という声も。