今年で放送開始から23年目を迎えるテレビ東京の看板番組「開運!なんでも鑑定団」に、思わぬ大騒動が持ち上がっているとか。
「驚愕のお宝」「曜変天目に間違いない」と鑑定された茶碗について、どう見てもまがい物だと陶芸家が疑問の声をあげています。
(以下引用)
〈『なんでも鑑定団』始まって、最大の発見ですね〉
〈国宝になっていたかもしれない大名品です!〉
番組内でこう高らかに宣言したのは、レギュラー出演する古美術鑑定家の中島誠之助氏だ。昨年12月20日の同番組では、世界に3点しかないとされる中国の陶器「曜変天目茶碗」の“4点目”が新たに見つかったと放送された。
この茶碗を持ち込んだのは徳島県のラーメン店店主だった。“お宝”は明治時代に大工をしていた店主の曾祖父が、戦国武将・三好長慶の子孫の屋敷を移築した際に大枚をはたいて買い求めたもの。25年以上も押し入れの“肥やし”になっていたが、気になって番組に鑑定を依頼したという。
この世紀の発見を、テレビ東京は放送前から〈番組始まって以来のお宝が大発見される様子が放送されます〉と書かれたリリースを各メディアに配布するなど大々的に告知した。
『坂本龍馬の手紙2通(4000万円)』、『マリリン・モンローが身に着けたイエローダイヤモンド(1億5000万円)』など、過去に番組が発掘した数々の逸品を上回る「驚愕のお宝」の登場に俄然期待は高まった。
放送では、いつものように中島氏が虫眼鏡を用いてじっくりと茶碗を鑑定した。司会の今田耕司が「オープン・ザ・プライス!」と声をかけると、電光掲示板に示された数字は「25,000,000」。番組最高額(5億円*)にこそ達しなかったものの、鑑定結果にスタジオはどよめきと拍手に包まれた。
【*番組史上最高額を記録したのはドイツで発掘された柿右衛門様式の壺=2005年9月27日放送回だった】
鑑定後、中島氏は「曜変天目に間違いございません」と断言。「信長、秀吉、徳川家康が持ってさらに現代に伝わっていれば、国宝になっていたかもしれない」と解説したのである。
南宋時代(12〜13世紀)の中国で製作された曜変天目茶碗は、“星々”を思わせる美しく輝く模様を持ち、「茶碗の中に宇宙が見える」と評される。
完全な形で残るのは世界で3つとされ、すべて日本に現存する。それらはいずれも国宝である。番組放送後、“4つ目の国宝発見”となる大ニュースを新聞各紙は「幻の陶器発見」と相次いで報じた。
だが、この大発見に異を唱える専門家が現われた。窯業で知られる愛知県瀬戸市在住の陶芸家・九代目長江惣吉氏である。長江氏が語る。
「番組を見ていて思わず絶句しました。どう見ても中国の商店街で売っているまがい物にしか見えなかった」
曜変天目の美しさに魅了された長江氏は、製造方法が未だ解明されていない「幻の陶器」の完全再現に親子二代にわたって挑んでいる。これまで長江氏は中国に28回赴き、現地研究者との交流を重ねてきた。昨年、NHKがその活動を番組で特集したほどの「曜変天目のプロ」である。
その長江氏が鑑定品を「偽物」と判断する最大の根拠は「光彩」だ。
曜変天目茶碗は、鉄分などを原料とする釉薬をかけて焼かれる。最大の特徴は、前述したように茶碗の内側に広がる鮮やかな光彩であり、光と見る角度によって輝き方がガラリと変わる。
徳川家康など時の権力者にも愛でられたとされる逸品だが、今回鑑定された茶碗には「肝心の輝きがない」と長江氏は指摘する。
「そもそも“曜変”とは“光り輝き、変幻する”を意味します。本来、曜変天目の釉薬には天然材料が使われており、焼き方によって色合いが変化して、ブラックオパールのように鮮やかな光彩が発現します。
しかし、鑑定団で紹介された茶碗は変幻する光彩ではなく、単に赤、緑、青などの釉薬がそのまま発色したものに見える。これは東洋的な味わいに欠ける」
鑑定品は色合いから見て、18世紀以降に作られたものだと長江氏は推測する。
「おそらく、ヨーロッパで18世紀以降に開発された陶磁器釉薬用絵具の『スピネル顔料』を塗り付けて発色させたもので、私は描彩天目と呼んでいます。時代からみても宋代の作品ではありません。器の外側に雲のような模様が出ていることも不可解です。国宝の曜変天目には、器の外側にほとんど模様がありません。鑑定品のような茶碗は今も福建省の建窯周辺にある“倣製品工房”で大量に作られており、2000〜3000円で購入できます」
中国陶磁考古学・陶磁史の世界的権威で沖縄県立芸術大学教授の森達也氏も「実物を見ていないのでその点は不正確ですが、映像を見た限りでは本物である可能性は低い」と話す。
「鑑定品の裏に記された『供御』という文字について、番組で“将軍が使う陶器に彫る文字”との説明がありましたが、この文字は中国で彫られるもので、日本にある伝世品で『供御』と記されたものを見たことがありません」
(引用元 週刊ポスト)
この話題にネットでは
「えー、興奮してテレビみてたのに。どっちの言ってることが本当なんだろうね?」
「これ、もし偽物だったら、中島さん大丈夫?ってなりますよねぇ」
「見た目からして、他の3点よりショボかったしな」
「貴重で価値のあるものでもを偽物って言われて処分されたものもありそう」
「美術品なんて鑑定士が「そうだ」っていえば本物になるんじゃない?」
「あの赤白青黄黒が溶け合ってる感じはすごく綺麗な色だと思ったけどな あれは本物だと思う」
「映像じゃなくて、実物みてからコメントしたほうがいいかもね」
「まああの番組に噛み付けば話題になるからな。売名だろ」
「この人って曜変天目の復元に生涯かけてきた人だからなぁ」
「本当だとしても直接見ずに言ってるだけじゃなあ」
「番組的には中島さんが鑑定したように見えるが,事前に何人かの専門家で鑑定や確認をしてるのでは?」
「あの色は出せないんじゃないかな偽物なら」
「番組としても、これだけの物なんだから、かなり念入りに事前に調べたと思うが。 一般に取引されるレベルなら、普段の鑑定士でも大丈夫だろうけど、このレベルなら専門家も交えて、検証しても良かったんじゃ無い?」
「それはともかく、なぜ週刊誌に?この方の鑑定眼が確かなものであったとしても、それをどう発信するかで世の中の受け止め方が大きく変わる気がしますが…」
という声も。